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前 進
序
じょうし
五月三日は、わが国の憲法が制定施行せられた国民の祝日でありますが、同時にまた、社
団法人実践倫理宏正会の発足を見た、会の祝日でもあります。
この記念すべき日に、創立者である父(初代会長)の霊前に本書を捧げ、上梓刊行の報告
ができますことは、望外のよろこびであり、これを以て、ささやかな孝養の一端にもなろう
かとひそかに自負しております。
もとより三十有余年のキャリアを保持し、創立者たるの誇りを以て幾多の倫理著作を世に
送った父から見ますれば、守成、興隆に任じてようやく二年、新任会長の筆のすさびは、さ
じくじ
ぞや苦言も多いことでありましょう。
私も、内心忸怩たるものはありますが、本会常任理事、青年部長として皆さんと共に実践
て こ
揚道に励んだ十余年を挺子といたしまして処女出版に踏みきったのは、外ならぬ識者旧知、
熟知会友の熱心なすすめに依るところが多大であり、私自身も継承者としての責任をつよく
感じたからであります。
3けいしょう
きびす
ふ
したがって表題も、継踵という文字を選び、先師の踵(足跡)を子として再び践む意志を
あらわした次第であります。その殆どは既刊会誌より蒐集した稿であり、表現などに時間の
推移もありますが、実践倫理それ自体は時間、空間をこえて人生きるのみちすじであります
ので、万世不変の生活道に関するエッセーとして味読していただければ幸いです。
実践倫理の第一声が発せられたこの日、会長就任後第一の書が公けにされますことを欣び、
これを機に、文筆活動をはじめ更に多方面広般に亘って実践倫理を明らかにし、会の興隆を
促したいと心に期しているものであります。
昭和四十九年五月三日
窓外に一きわ鮮やかな皇居の緑を望みつつ
廣 榮 治 識す
会長 上
4私 の 名 で は じ め て 世 に 出 る
こ の 小 著 を
私 を 育 て 今 日 あ ら し め
いまは泉下にねむる
父 の 膝 下 に 謹 ん で 捧 げ る目 次
道 を 践 む
前 進
35
29
24
19
11
未 来 へ の 序 章
マイホーム主義の功罪
体験は私有するなかれ
愛と誠の一筆入魂
流れる水は生きている
風 雪 一 九 九 号
38
先師はよみがえる
秘伝、師と弟子
46
59
父 権 と は 何 か
52
66
物 と 心
恩 の 底 流
71
本 を 尋 ね る
学道世々に絶ゆることなし
倫理実践に権道はない
技 術 と 倫 理
構 え ず 白 紙 で
現実大肯定の原則
実践のたのしみ
天を相手とすべし
藍 よ り も 青 し
76
あすを決める精進今日一日
普及会員の使命
85
91
98
139 135 130 123 116 111 105社会をみつめて
現代の忘れもの
世直しのプログラム
基本を忘れるな
感 じ る 心
怠け者はスマートに生きられない
人 気 の 秘 密
静かなる愛国者
緑の風よ人の心に
断絶時代の見通し
教育公害と被害者意識
一貫する親孝行路線
備えあれば冬また楽し
220 214 207 200 194 187 180 173 168 161 154 147若い世代に呈す
明治生まれと昭和世代
竜 馬 は ゆ く
さながらの倫理
新・出 世 主 義
朋友は六親にかなう
進歩した受験生
かかるとき、我生きてあり
雪 中 に 炭 を
271 264 261 255 248 241 234 227道 を 践 む